品川区が行っている自転車政策は放置自転車をいかに取り締まるのかという政策です。
生活者ネットワークは自転車を規制する対象ではなくて、環境面でも健康面でもみんなが使える乗り物として利用を促進する政策へ転換すべきだということを提案し続けてきました。今回の予算委員会でもこの問題に取り組みました。
昨年、区は放置自転車対策を推進するとして、戸越公園駅・下神明駅に約5千万円の予算を投じて区営駐輪場をつくり、150台分の有料駐輪場を増やしました。
当然放置自転車対策として行ったわけですから、放置自転車が減って保管台数が減り保管料も減額予算立てがされて当然と考えたのですが、予算を見ると、ほぼ昨年同等の放置自転車保管料収入になっていました。
ここを質問したところ、
区は、どんなに駐輪場の整備をすすめても放置自転車はなくならないという考えに立って予算編成をしたと答弁。 また、品川区は交通網が発達しているし、狭い道路が多く、自転車に乗るよりも歩くことを区は推奨している。この政策は今後も変えるつもりはないということでした。
毎年、25箇所の有料駐輪場運営費を含めて、3億から4億のお金がかかります。そんなにかけて、放置自転車対策をするのは無駄遣いではないかと市民感覚では思うわけです。
品川区民の自転車保有台数は、数年前でも24万から25万台といわれている。
また、自転車が絡む事故も一昨年は区内で420件発生し、増加傾向にあると報告がされています。
一方、国も、生活に密着した道路機能の充実に取り組むこととして、自動車交通優先の道路政策を変えていこうとしています。
品川区も国からの補助金を受け、昨年度、立会い道路に自転車優先道路をつくったわけですから、自転車政策は撤去を目的とした放置自転車対策ばかりではなく、自転車が有ることを前提とした街並み整備、要するに、区民が安心して自転車を止められるような駐輪空間を増やすことへ予算をつけるべきだと考えます。
品川区にも実態調査を積極的に行い、時代に合った感覚で、歩行者・自転車・車が共存できる、自転車を取り巻く環境整備にぜひ取り組むように今後も生活者ネットは要望していきます。<いちかわ・かずこ>