誰もが住み慣れた地域で安心して暮らすには…

荏原医師会立看護高等専修学校第40回卒業式に列席して

 
 3月4日、荏原医師会立看護高等専修学校第40回卒業式に列席しました。
2年間の学業を終え、この日39名が卒業を迎えました。準看護師として就職し医療現場で働く人、看護師を目指す人とそれぞれの道を進むこととなります。

 2005年の介護保険見直しと、2006年の医療制度改革により、介護と医療は大きく変わろうとしています。
「誰もが住み慣れた地域で安心して暮らす」ためには、地域ケア体制をどう構築するか。昨年2月にネットが行ったアンケート調査(ネットニュース№66に報告記事を掲載)によると、かかりつけ医への要望は、「歩いていける距離」「緊急時・往診・訪問看護への対応」「相談にじっくり乗ってくれ、信頼できる」があがり、いつでも安心して相談できるホームドクターを望んでいることがうかがえました。80%はかかりつけ医は「いる」と答えていますが、往診にきてもらえるのはわずか26%にとどまり、緊急時の相談はかかりつけ医と答えたのは17%でしかなく、救急車・身内・友人へ相談が60%をしめ、要望と実態に大きな差が見えました。
 最後を看取る場所として自宅が12%、病院・特養・老健が85%の現在、多くの人が希望する「在宅での看取り」が当たり前になるための課題は山積している状況といえます。

 介護を担うケアマネージャーや病院医療などの多職種との連携を含め地域全体の24時間体制をどう作っていくか、自治体・医師会の連携によるバックアップ体制の構築が今後の課題となります。こうしたなかにあって、知識・技術・態度の看護の三要素をしっかり学ばれた看護師さんの役割はますます重要となります。大変な道だけどがんばってほしいなと思いました。<いちかわ・かずこ>

【写真】2月28日新宿西口で、生活者ネットの都議会議員選挙候補予定者が揃って、「市民が育てる東京・未来」をスローガンに街宣を行いました。09年度都議会議員選挙政策、「誰もが安心して地域で暮らす」政策を訴えました。