賞味期限は消費者が決めるべき!

食品の表示は期限表示と製造年月日表示で

食の安全を根底から揺るがす事件がまた続いている。
「白い恋人」「赤福」「船場吉兆」…  共通するのは消費・賞味期限の偽装。

消費期限は、製造日を含めておおむね5日以内に悪くなる食品に表示される。賞味期限は比較的日持ちのする食品にが対象で、おいしく食べられる業者の保障期間で、それを過ぎても食べられないというわけではない。

消費・賞味期限は食品衛生法とJAS法で義務付けられている。しかし、国のガイドラインに基づいて、期限を設定するのは各食品業者であり、これが今日のような大きな混乱を招いている問題点である。
自治体や省庁が、商品を検査して偽造されているかどうか判断することができない。利潤を追求する食品メーカーに自分達に責任を持って表示しなさいというものなので、今回のような内部告発があるまで、チェックできないという訳。

1995年に現在の期限表示に変更になった。それまでは、製造年月日表示だった。
消費者は店先で製造された年月日を見て、より新鮮な商品を自分達の判断で購入していた。これでなぜいけなかったのか?

95年当時、私は生協で食の安全に関わる活動をしていた。この期限表示導入は、それまでの食べる側の手にあった「味の期限」を作る側・売る側の手にゆだねてしまうもので大きな問題とだとして反対の立場をとった。

現在、製造年月日は任意表示扱いで、規制はゆるいもの。そこに偽装が入る余地が生まれた。
製造年月日表示が食品衛生法で厳格に義務づけられれば、併記される消費・賞味期限の偽装の余地はなくなるはず。

消費者の安全を守る立場で、企業をチェックできるように食品行政の根本を改めることが求められている。
<いちかわ・かずこ>

左、私の加入している生協は、製造年月日表示を生産者に義務付けている。「味の期限」は食べる側が確認できるのがいい!