品川区は2000年4月から独自の教育改革を開始し、公立小中学校で全国初となる学校選択制を取り入れた。
通学区域自由化、小中一貫校建設、続く一貫校6校構想*決定と、どれをとっても説明や議論の場がないばかりか、市民合意が形成されたとはいえず、納得できない区民の声が高まっているのも事実だ。
品川区がさきがけとなった学校選択制は全国に広がり、公教育は競争時代になった? 理想を追う行政と現場の間に、溝は生じないのだろうか?
未来を生きる子どもたちが夢と希望を叶えられるよう、区は、公教育のありようを市民参加で検証し、今後の方針を共に展望する必要があるのではないか。トップダウンの教育から地域が学校をつくっていくコミュニティスクール形態の教育へと転換し、学校を「学びの共同体」へと変えていくことが、子どもの教育への参加・ひとりひとりの学ぶ権利の保障につながる!
真剣な表情で開校式に臨む児童・生徒の姿を見ながら、そんな思いで胸がいっぱいになった。<いちかわ・かずこ>
*ネット実施の教育調査からは、「箱物にお金をかけるより中身の充実を」「学区自由化で地域をバラバラにしている」「学区自由化による通学交通費や一貫校の制服費用が負担だ」などの記述が多くみられた
*一貫校6校構想
2006年度開校 日野学園 第二日野小学校・日野中学校
2007年度開校 伊藤学園 原小学校・伊藤中学校
平塚小学校・平塚中学校
八潮小学校・八潮中学校
品川小学校・城南中学校
大間窪小学校・荏原第三中学校