2007年度予算特別委員会が開会されます

市民と行政が対等関係のパートナーとして自治体運営するまちに

2月7日 品川区は総額1345億1500万円の2007年度一般会計予算案をプレス発表した。景気回復による雇用増などを要因に特別区税が11.6%伸びたが、特別区債の発行を42年ぶりに控えたことから、前年度比0.3%増という予算規模となった。主な事業として、高齢者ケアホームと幼保一元施設の複合施設新設事業や、乳児がいる家庭に児童センターや保健所の職員が全戸訪問するすくすく赤ちゃん訪問事業などを盛り込んでいる。また、小中一貫教育推進のための教員の区独自採用に乗り出す初年度とし、続く08年に選考、09年度に1期生として5、6人の採用を目すとしている。
 新区長就任後初の予算案となるその編成テーマは、「明日の品川にむけて〜区民と連携・協力のまちづくり」とされているが、再開発誘導の都市整備計画に象徴されるように、今や自治体運営の常識であるところの「参画」と「協働」を前提とした市民主権のまちづくりには遠い感は否めない。
 小中一貫教育の推進や子育て支援の新たな積み上げがクローズアップされているが、子育ての目標である「子ども自身の育ち=子育ち支援」につながっているのかというと、その連続的な施策展開ができないでいるのが品川の現状ではないだろうか。深刻さを増しているいじめの問題や教師が子どもと向き合える環境づくりへの認識は薄く、教育への子ども参加の必要性、第三者性を確保した子どもの権利擁護機関の実施への視点も見られない。近年では、05年度に策定された「子ども・子育て応援プラン」などに見られるように、国でも「子育ち」を、改めて「子育て」から取り出して意識化することの必要性を認識し始めている。
 次世代育成支援地域行動計画が推進されている現在、事業評価も市民参加で始まることになり、各地で多様な検証が展開されている。こうした時期であるがゆえに、子ども・教育行政はもちろんのこと、様々な分野において市民とともに計画を検証し、行政情報の完全な公開を前提にその基本方針について展望する、市民と行政が互いに対等関係のパートナーとして、あるべき地域社会を実現していく、そうした取り組みが具体化されていかなければならないと思う。<いちかわ・かずこ>

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■2007年品川区議会第1回定例会〜予算特別委員会の会期は2月21日〜3月27日です。■21日には区長の施政方針が説明されます。議会傍聴に、出かけてみませんか。

▲写真は、生活者ネットワークも実行委員会団体として参加する「子どもの権利条例東京市民フォーラムのつどい」。第6回となったこの日は、前ノルウエー子どもオンブズマンで、ユニセフイノチェンティ研究所研究員のトロンド・ヴォーゲさんを招き、「ユニセフが考える子どもにやさしいまちづくりとその実際」について聞き、近代子ども研究を共有した(06年10月、東洋大学白山校舎)