1月31日土曜日、生活クラブ生協「まち港.品川宿」新春のつどいに参加し、生活クラブ提携生産者である山形県遊佐町の米生産者の方々からお米にまつわるお話をうかがいました。
無農薬米への挑戦!
遊佐では6年前から無農薬米の実験栽培を続けています。庄内みどり農協遊佐支店の共同開発米部会は500名いますがそのうち5%が実験取組に参加しているということです。無農薬米の栽培は草との戦いで機械による除草だけではダメでこまめな手取りも必要であり、家族総出で草取り仕事を行うということでした。こうした無農薬米を作る田んぼの存在は、その周りの田んぼでの農薬使用量を減らす効果ももたらせています。
「ササニシキ」をたやさない!
遊佐の中山間部では今は珍しい品種となったササニシキを作っています。この品種は、かつてはコシヒカリとともに両横綱と呼ばれた人気品種で、1990年には作付けがピークに達したが、耐倒伏性、いもち病抵抗性に弱く、気象被害も受けやすいという短所があり、1993年の冷害では大きな被害を出した。その後冷害に強いひとめぼれの作付けが広まり、ササニシキは作付けを大幅に減らしつつ現在に至っています。
しかし、遊佐の中山間部の気候には合い、比較的手間がかからないことから高齢な生産者には作りやすい米であり、何よりも、ごはん通が一目おくこのササニシキの品種をたやさないということで生活クラブと取組をしています(ササニシキオリジン)。
異常気象による不作の危険回避のためにも日本中がコシヒカリ一辺倒にならず、適地適作を基本とした取組の必要を痛感しました。
減反田を活かす!
いま、遊佐町は、「飼料用米プロジェクト」の先進地ということで取材や自治体の視察が殺到しているということです。飼料自給率は今や25%前後といわれていますが、輸入に頼らない畜産飼料として減反田で育てた米を活用するこのプロジェクトが各地で注目を浴びているからです。
食用の米に比べて圧倒的に価格が安いことをカバーするためにコスト削減と多収穫に苦労しているが、「飼料米を食べた平田牧場の豚の糞からできた堆肥を田んぼで使う地域循環を途切れさせないためにがんばっている」という話には感動しました。
米産地のパイオニアといわれる遊佐の新たな挑戦の話に元気づけられたのは私だけではないはず。自分たちの地域は、自分たちで元気にしよう!という意気込みが伝わってきました。遊佐のお米を食べることで応援をしたいですね。<いちかわ・かずこ>
今年度、生活クラブ運動グループ品川地域協議会で取り組んだ調査活動「どうなってるの?東京の水!」の活動報告も行いました。(写真左)