2009年 品川・生活者ネット 新年の集い

こんな時代だから…市民事業で乗り切るしかない

昨年より10日も早く春一番が吹いた2月13日、品川・生活者ネットワークの「新年の集い」が行われました。
今年のサブタイトルは「生き生きと市民がつながるまち品川」。品川区を中心にいろいろな形で市民活動をされているグループや個人の方々が一堂に会し、活動の紹介や夢を語り合い、今後の活動の糧にしてもらおうという目的です。硬い題ですが、みんなで集まってわいわい楽しくやりましょうというのが主旨です。

第一部は、ワーカーズ・コレクティブネットワークジャパン代表の藤木千草さんのお話。「協同出資、協同経営で地域に貢献する新しいビジネスモデル」という題でワーカーズ・コレクティブという働き方を紹介していただきました。写真右上

ワーカーズ・コレクティブとは、
社会的企業・コミュニティビジネスといわれるものの一つです。
●私たちが暮らしている地域で心豊かに暮らせるために、「あったらいいな」と思う「もの」や「サービス」を自分たちの力で作る。
●「雇う—雇われるの関係」でなく、「自分たちで考え、自分たちで決める」という、納得できる進め方。
●資金と労力と知恵を全員で出し合い、全員が経営に責任を持つ。
・・・そんな働き方のことです。

どんな事業があるのでしょう?
・安全・安心な材料を使ったおふくろの味の弁当販売や宅配
・自分の親や自分が年をとったときにしてほしい介護や
 家事の支援
・子育て経験をいかした家庭的な保育室
・お年寄りや体の不自由な人が気軽に出かけられるよう
 支援する 移動サービス
・センスや能力をいかしたショップ経営や会計事務や編集作業、
・環境に配慮したハウスクリーニングなどなど・・・。
現在各地で活躍している、人と人のネットワークで事業という形にしている働き方を知ることができました。

ワーカーズ・コレクティブが誕生し27年。やっと社会がついてきて徐々に「法」の整備が整いつつあるがまだまだ十分なものではないということです。
すごいスピードで進む高齢化、厳しい経済状況と乏しい行政の財政、経済効率を優先のために失われた自然環境や食べ物の安全性、希薄になった人の繋がり、切り捨てられる働き方・・・こんな時代だから非営利の協同組合の精神に基づいて市民が地域で興す市民事業で乗り切るしかない!藤木さんのお話でこんな風に思われた方も多かったのではないでしょうか。

品川区の市民協働のしくみづくりは取組が始まったばかりで、これから期待されるところです。しかしまだ、NPOとの共同事業といってもこれまでどおりの主従関係が続き、事業の適正な評価、委託料の算出根拠が曖昧です。この点を品川ネットは指摘しています。品川区全体としての評価検討の見直しを今後も求めていきたいと思います。
 <いちかわ・かずこ>

第二部は、IWC(国際市民の会)、チャイルドライン、ワーカーズ・コレクティブたんぽぽ、生活クラブ生協まち港.品川宿、ミニデイついたち会、共に生きる会、肢体不自由児父母の会より元気良く活動の紹介をしていただきました。
持ち寄ったお料理や「お食事処こもれび」のお料理を頂きながら話がはずみました。